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2008年度大巡検 長崎巡検


 2008年度の大巡検は長崎県長崎市とその周辺市町を対象地域に、9月15日から19日まで4泊5日の日程で実施しました。参加者は、学部3年生8名と大学院生3名、引率教員2名の計13名でした。期間中は台風13号の影響が心配されましたが、日中の天気は小雨程度で、ほぼ予定通り巡検を行うことが出来ました。初日は午後から皆で長崎市街を巡検し、2日目から各自のテーマで調査を行いました。


長崎市街巡検

 JR長崎駅前に集合し、出島、新地中華街、唐人屋敷跡、東山手を経由し、南山手グラバー園までの約4時間を要するコースを巡検しました。


 出発時、小雨が降っていたため、予定を一部変更し、長崎駅前から出島までは路面電車で移動しました。写真は長崎駅前の電停です。   
 鎖国時、オランダの商館が設置されていた出島です。開国後、商館は廃止され、明治以降になると周囲の埋め立てにより往時の出島は姿を消しました。しかし、1996年以降、復元整備事業が本格化し、当時の建物等が復元されています。写真は復元された建物の内部です。  
 長崎の中華街は新地と呼ばれる場所にあります。鎖国当時、新地は周囲を海に囲まれた埋立地で、中国との交易品を保管する蔵が建ち並んでいました。開国後、次第に唐人屋敷の中国人が新地に住み着き、周囲も埋め立てられました。戦後は飲食店を経営する者が増え、現在の中華街が形成されました。  
 唐人屋敷跡は、鎖国当時、中国人の居住地だった地区です。現在、地区の活性化のために唐人屋敷顕在化事業と景観整備が取り組まれています。また、この地区は斜面市街地再生事業の対象地区でもあり、生活環境整備があわせて実施されています。  
 オランダ坂で有名な東山手地区は、開国後、外国人の居留地でした。現在でも、明治期に建築された洋館が残っています。  
 グラバー園や大浦天主堂で有名な南山手地区です。この地区には、2002年にグラバースカイロードと呼ばれる斜行エレベーターが設置されました。写真奥が斜行エレベーターです。長崎市には多くの斜面市街地があり、現在、高齢化や災害等に関する問題を抱えています。この斜行エレベーターも、そうした斜面市街地の再生事業の一環で設置されたものです。  

学生の調査テーマと報告書

 2日目以降、学部生が各自で取り組んだ調査のテーマです。本学の教育・研究成果コレクション TeaPot から報告書を閲覧できます。


テーマ
斜面市街地における防災と都市開発-長崎市立山地区を事例に-
長崎市斜面住宅地の交通について
浦上駅周辺におけるバリアフリーの現状とその課題
外海地区における隠れキリシタンと他宗教との関わりの変化
-枯松神社の祭礼を事例に-
出島復元事業について
唐人屋敷の歴史的景観を活かしたまちづくりについて
旧産炭地の地域再生
諫早市のまちづくりと旧長崎刑務所の解体