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2013年度大巡検 山形巡検


 2013年度の大巡検は山形県山形市とその周辺市町を対象地域に、9月1日から5日まで4泊5日の日程で実施しました。参加者は、学部3年生7名と大学院生3名、引率教員1名、ティーチング・アシスタント1名の計12名でした。初日は午後から全員で山形市街を巡検し、2日目から各自のテーマで調査を行いました。


山形市街巡検

 JR山形駅西口の宿泊施設に集合し、霞城セントラル、山形城三ノ丸土塁跡、十日町~七日町(中心商業地)、旧山形県庁舎・県会議事堂館を経由し、山形県立図書館までのコースを約3時間かけて巡検しました。


 山形駅西口は土地区画整理事業による再開発地区です。再開発のシンボルとして24階建ての高層ビル「霞城セントラル」が建てられており、山形県や山形市の機関、民間企業が入居しています。現在山形市内で最も高い建築物であり、最上階の展望ロビーからは山形の市街地を一望することができます。   
 山形城は、最上氏統治時代の大改修により奥羽最大の城郭(70万坪)となりました。その後は、藩主の変更に伴う石高の減少により城の維持がしだいに難しくなり、幕末には三ノ丸に畑も目立っていたといいます。現在は二ノ丸跡が公園として整備されています。右の写真は、市街地に一部が残っている三ノ丸の土塁跡です。  
 江戸時代の山形は、最上川舟運を利用した紅花などの上方交易の拠点となり、商業都市として繁栄しました。城下を南北に貫く羽州街道沿いに商家が並んでいました。その一帯は現在、山形市の中心商業地となっています。右の写真は、紅花交易で栄えた商家の蔵店を改修した観光施設です。市内には蔵造り建物が多く残っています。  
 山形は馬見ヶ崎川の氾濫から度々被害を受けてきたため寛永年間に流路を変更する改修工事が行われ、それにあわせて馬見ヶ崎川に五カ所の取水堰が、城下には用水路が設けられました。右の写真は、用水路のひとつで暗渠となっていた御殿堰を開渠し、あわせて周辺の景観を整備した地区です。  
 山形には明治から昭和初期に建てられた近代建築も多く残っています。右の写真は、大正5年に完成した二代目の県庁舎を、建設当時の工法で忠実に修理復元した建物です。隣接する旧県会議事堂とともに国の重要文化財に指定されており、現在は山形県郷土館として使用されています。  
 
 
 
学生の調査テーマと報告書

 2日目以降、学部生・大学院生が各自で取り組んだ調査のテーマです。本学の教育・研究成果コレクション TeaPot から報告書を閲覧できます。


テーマ
山形市中心市街地活性化の現状と展望
山形都市圏における郊外住宅地の開発と居住者特性-2000年代開発の蔵王みはらしの丘を事例に-
山形県産米「つや姫」のブランド化
さくらんぼをめぐる六次産業化の動向-山形県寒河江市と東根市の比較から-
山形県における清酒の生産・販売に関する現状と展望
天童市における将棋駒生産の現状と将棋文化の普及活動
観光資源としての『おくのほそ道』-山形県を事例として-
高畠町における観光資源の有機的再編-「感動の物語」を探して-
山形国際ドキュメンタリー映画祭-NPO主体の地域発展の可能性-
山形県戸沢村における多文化共生-外国人花嫁の「場所」構築の視点から-