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国際シンポジウム「ジェントリの起源-日本の武士と比較して-」

2010年5月開催




 2010年5月23日、比較歴史学コースは、中世イギリスのジェントリ(騎士・準騎士階層)と、中・近世日本の武士を比較して、そこから日本とヨーロッパの社会と歴史の特質を考えてみようという国際シンポジウムを行いました。
 英国カーディフ大学から、『ジェントリの起源』(2003年)や『ジェントリのライフスタイルとその基盤』(2010年)などのご著書があるピーター・コス先生をお招きし、「中世のジェントリの形成における騎士の役割」と題して基調講演をしていただきました。講演にひき続き、高橋一樹先生(国立歴史民族博物館)と安田次郎(本コース)が日本中世史の視点から、岸本美緒(本コース)が中国史の視点から、三浦徹(本コース)がイスラム史の視点から、それぞれコメントし、最後に鶴島博和先生(熊本大学)が総括的なコメントと論点整理を行い、パネルディスカッションが行われました。  日曜日にもかかわらず本学学部生や院生、他大学の研究者など、70名以上の参加者がありました。フロアからの質問に対してもコス先生は熱心にときおりユーモアを交えて答えるなど、和やかな雰囲気のなか、3時間半にも及んだ議論は日本・中国・イスラム社会を縦横無尽に行き交い、比較歴史学らしい国際シンポジウムとなりました。
 シンポジウム終了後、コス先生ご夫妻を囲んでのウェルカム・パーティでは、本コース学部生がご夫妻を取り囲んで質問攻めにし、イギリスの学生生活についてや、戦争と教育の問題にまで話は及び、本コース学部生にとってもたいへんに刺激的な経験となったことでしょう。ご夫妻は、日本の学生の生の声にふれることが出来て興味深かったとおっしゃっておられました。
 なお、当日の司会は新井由紀夫(本コース・イギリス中世史)と神田由築(本コース・日本近世史)が、通訳を上野未央(大妻女子大学・本コース卒業生)、佐々井真知(本学大学院生)、常木清夏(本学大学院生)がつとめました。本シンポジウムの詳細については、2011年度発行予定の『お茶の水史学』別冊特集号に掲載される予定です。どうかご期待ください。


英国カーディフ大学から、ピーター・コス教授(イギリス 中世史)を招いて。
院生や卒業生が通訳をつとめました。

 

 


各分野のコメンテーター(イギリス中世史・日本中世史・中国史・イスラム史)との討論。
まさに比較史の醍醐味です!

 

 


シンポジウム後のウェルカム・パーティーにて、講師やコメンテーターとの交流も!
比較歴史学コースの学生も多数参加しました。



お茶の水女子大学文教育学部 人文科学科 
比較歴史学コース
新井 由紀夫

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