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グローバル文化学環ホームカミングデー開催報告

2016年7月22日更新

第一部 文教育学部講演会 箕浦康子名誉教授「グローバル人材の育成―教え子の実例から考える―」

 箕浦康子名誉教授から、1990年代に指導した3人の教え子を実例に、グローバル人材の育成について、ご講演を頂きました。1人目の教え子Aさんは、インド留学を経て、2004年からUNHCRヨルダン事務所にて難民の自立支援を行っている方です。国連職員になると決めてから、強い意志を持ち、決して諦めずに努力する人だったと箕浦教授は振り返っていました。2人目のBさんは、コロンビア大学の博士課程に籍を置きつつ、世界銀行でのインターンにトライし、現在はPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度のデータ分析を担当しています。インターンの話を聞いたときはすぐに手を挙げたといい、チャンスを逃さないという姿勢を見習わなくてはと感じました。3人目の教え子Cさんは、大学卒業後すぐに国際交流基金に勤め始めました。女性にとって働きやすい場であり、今も子育てしながらワシントンで活躍しています。草の根交流では、グローバル文化学環のように、コミュニケーション能力、自主性、柔軟性、異文化適応力などがもとめられているとのことです。

 グローバルに生きる、とはただ外に出るのではなく、そこで何らかのタスクをやってみることだと箕浦教授はいいます。熟考後ではなく、行動しながら考える、「考動力」が非常に大切だとおっしゃっていました。最後に、グローバル社会は日々変化しているため、いつもゼロベースで現場を見て観察しながら、新しいことに挑戦してほしいというメッセージを頂き、講演は終了となりました。自分自身、グローバル文化学環という学生同士が相互に刺激し合える場があることをありがたく思うとともに、10年後、20年後のキャリア像を改めて考える良いきっかけとなりました。(文教育学部2年、三村友里)

箕浦先生  講演の様子 

 グロ文HCD 第2部「グロ文で学んで、いま」

  ホームカミングデー第2部ではグロ文OGが一同に会し、「グロ文で学んで、いま」と題して1〜8期の各期代表者によるスピーチが行なわれた。仕事など現在していること、お茶大・グロ文での学びや経験が現在にどう活かされてされているか、反対にもっとこうしておくべきだといった改善点などについても言及された。学年の壁を越え学生間で思い出や気づきが共有され、大変和やかな会となった。

 8名の方のスピーチを聞いて改めて強く感じたことはグロ文という環境の多様性だ。海外に生活基盤をおいている人、文字通りグローバルに世界を飛び回っている人だけでなく、国内の地域に根付いた仕事や特殊な業種のプロフェッショナルとして働き始めた人など実に様々なフィールドにグロ文卒業生が広がり、歩んでいることを実感した。グロ文のコンセプトのひとつとして分野横断的であることが挙げられるが、各々の興味や個性が卒業後の生活にも遺憾なく発揮されていることが分かる。そしてどのような生活を選び、どのような環境におかれていてもグロ文で培われた視点の持ち方、社会との関わりや問題解決能力、課題に対する真剣さや勤勉さなどが活かされているとの声が多かった。

 他方でお茶大・グロ文生は、より一層積極的になるべきだ、キャリアにこだわらず様々な人の話を聞ける機会を増やすべきだといったことなども指摘された。積極性に関しては個人の性格や行動力によるところも大きいが、第1部の箕浦先生のご講演でもあったように大学や学部など組織内の伝統・雰囲気によって学外との関わりが促進されるという例も少なくない。またお茶大では近年キャリア教育が重視されており、実際所謂高キャリアの方の講演をうかがう機会も多いが、確かにそればかりでは実社会と認識のギャップが生まれてしまうこともあるかもしれない。どちらも「経験」の重要性が指摘されているのではないだろうか。今回の会のようにグロ文の卒業生と在学生の繋がりが、そうした広い経験作りのきっかけを生むことが期待される。
 なにより印象的だったのはお話をしてくださった8名の方皆さんが活き活きとお話くださったことだ。学生であるうちは兎角将来のことを不安に思うものだが、10年分の先輩方の存在を眩しく、心強く感じた。(3年 瀬尾 早紀子)

 卒業生代表スピーチ
第1期 木下 あゆみ(航空会社勤務)
第2期 山下 沙織(商社勤務)
第3期 豊永 優美(在米、ミュージシャン、ビデオレターによる)
第4期 三林 由季(重工業メーカー勤務)
第5期 植村 奏水(医療機器メーカー勤務)
第6期 中坪 佑香(新聞社勤務)
第7期 丸山 栞(日本語教師)
第8期 由永 恵莉(出版社勤務) 
第2部①  第2部②

第三部 懇親会 文教育学部第一会議室

 17時より、懇親会が、卒業生53名、教員8名に、在学生も参加し、名誉教授でありグロ文奨励賞基金の創設者である篠塚英子先生の乾杯の発声で開始されました。長らく会っていない友人、先生方とともにそれぞれの近況報告に花を咲かせていました。パーティーでは、ケータリングのご馳走とともに熊谷先生セレクトの南半球のワインと東北の日本酒が用意され、交流の席を賑わせていました。

6期生の溝部久江さんと松田梨沙さんの司会で、食事をとりながら1期生から8期生までの自己紹介と近況報告、在校生である9期生と10期生の自己紹介を行い、途中創立時の文教育学部長である内田伸子名誉教授(現桜蔭会会長)からの祝辞があり、グロ文創設当時のお話や卒業生たちの活躍への期待をお話しいただきました。

在学中の先生方とのエピソードをユーモアをまじえて懐かしんだり、交流の薄かった他期生と顔を合わせ、横だけでなく縦の繋がりが深まったようです。卒業生たちは、企業に就職し管理職を任されている人、博士課程に進み自分の研究を究めつづけている人、結婚し新たな人生を歩む人、グロ文では学域横断的に様々な分野に興味ある人が集まるように、卒業後の進路も様々なようですが、どの卒業生もグロ文で学んだ誇りを胸に堂々と社会に出て活躍していることが実感されます。グロ文も10年を迎え、一つの節目を迎えたようですが、今後20年、30年と変容し続ける世界とともにグロ文も新たな視点を取り入れながら、輝かしい卒業生を送り出してほしいと思います。(4年 熊田 小百合)

第3部① 第3部②

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