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松本 祐生子(まつもと ゆきこ:ロシア近現代史)

2025年4月1日更新

研究テーマ

専門は、独ソ戦期(1941-1945年)と戦後のソ連社会におけるジェンダーです。
研究を始めた当初は、スターリン体制下の社会や人々に関心をもち、戦後スターリン期(1945-1953年)の政治文化を扱っていました。具体的には、都市の式典や指導者崇拝を研究対象としました。
その過程で、戦争が戦後社会にもたらした影響について考えているうちに、戦時中のことをもっと知りたいと思うようになりました。そこで、レニングラード包囲戦(1941-1944年)について調べました。レニングラード包囲戦は、飢餓と極寒で多数の死者が出た戦いです。この戦いに関して、医療文書を分析して、戦時の環境が女性の身体にどのような影響をもたらしたかを明らかにしました。また、都市の戦争博物館に着目して、ローカルな歴史をめぐる政治の動きと、記憶の保存に対する人々の取り組みを考察しました。
現在は、独ソ戦期の都市に関する研究を続けるとともに、20世紀のソ連・ロシアについて、政治・社会におけるマスキュリニティや戦時下の子供の移動についてもひろく研究を進めています。

・ゼミ概要

・著作

学生への一言

過去をどう記憶するかということには、現在の政治や社会、人々の状況が映し出されます。とくに、私が研究対象とする20世紀には、戦争が多くの人々の心身や生活を破壊しました。人々が戦争の記憶をどのように後世に伝えてきたか、その政治的・社会的文脈を分析し、そこにあった困難や熱意に触れることは、大事なことだと思っています。
歴史を学ぶことで、今についても考えを深め、視野を広げてください。また、史料や文献を読み、文章を書く面白さも味わってもらいたいです。

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