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過去の年次大会(2)

2016年3月28日更新

第2回年次大会-2ND CONFERENCE-

第2回年次大会の写真1

2010年11月20日(土曜日)に、第2回年次大会が行われました。お茶大英文学会創設の準備大会にあたる前大会(第1回)を経て、今大会より公募による研究発表が加えられ、年次大会、特別講演とともに、多彩なプログラムが企画されました。

最初に、3名の会員による研究発表が行われました。最初の発表者の東裕美さん(発表題目「it, that, thisについて──接近可能性の観点から」)は、ご自身の研究分野である英語学から代名詞の「接近可能性」をテーマに取り上げ、詳細な用例分析をもとに、「it」「that」「this」の特質を考察されました。

第2回年次大会の写真2

続いて、夏目康子さん(発表題目「Humpty Dumptyの系譜―マザーグースと『鏡の国のアリス』のHumpty Dumpty」)は、伝承童謡のキャラクターとして広く知られている「卵人間」(Humpty Dumpty)について歴史的・社会的な位置付けを試みました。

第2回年次大会の写真3

3つ目の研究発表として、大池真知子さん(発表題目「エイズとともに生きること、エイズについて書くこと--ウガンダの『メモリーブック』を例に」)が、ご自身のウガンダにおけるフィールドワークを踏まえ、文学研究の視点から「メモリーブック」について考察されました。

ジャンル・分野を異にするこれらの研究発表でしたが、3名の発表者の皆さんが提供してくださった興味深いテーマや、適宜紹介された資料や解説が、私たちの日常的な関心を、それぞれの専門分野に自然に惹きつけてくれました。 研究発表の後、総会が行われ、英文学会予算案が提起・承認されました。

第2回年次大会の写真4

総会に引き続き、本学名誉教授外山滋比古先生による特別講演が行われました。外山先生は、かつてお茶大英文科で教鞭をとられており、聴衆のなかには、以前外山先生の講義を受けた卒業生も多く見られました。「外国言語文学研究の立場」と題された講演で、外山先生は、日本における英文学研究の歴史を振り返りながら、今日、「外国文学」としての英文学を学ぶうえで、わたしたちにとって必要となる視点についてお話してくださいました。異文化圏と関わる意義・姿勢を問う外山先生のお話は、文学研究に限らず、研究・仕事など様々な場面で英語圏と携わるわたしたちひとりひとりの展望をひらくような力強いメッセージとなりました。

第2回年次大会の写真5

全プログラム終了後、本学会の懇親会が開かれました。研究発表や講演が続いた本会ののち、通称「お山の上」に建った大学院棟の6階のロビーに場所を移し、護国寺をはるかに見下ろしながら、ワインやビールを片手にリラックスした雰囲気のなかで歓談が楽しまれました。学生・研究者・社会人というさまざまな立場をこえた交流の場となり、あちこちで次回の再会を約束しながら、2010年の大会を終えました。

第2回年次大会の写真6
第2回年次大会の写真7
第2回年次大会の写真8
第2回年次大会の写真9

大学院博士課程後期在籍

佐藤里野

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