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お茶の水女子大学文教育学部長からのメッセージ

2023年4月1日更新

学部長からのメッセージ

文教育学部長 新名 謙二

文教育学部は、1949年お茶大が新制大学として発足した翌年に、女子高等師範学校の伝統を受け継いで、文学部に教育学・体育学・音楽教育学を加えた組織として出発しました。人文科学科、言語文化学科、人間社会科学科、芸術・表現行動学科の4学科とグローバル文化学環から構成されており、人間や社会や文化について、広くミクロとマクロの両面から学んでいく学部です。

文教育学部の特徴は、4学科とグローバル文化学環が、14もの多彩で個性あふれる専門教育プログラムを提供しているところにあります。学生のみなさんは、専門の学びで主軸となるプログラムを提供する学科のコースまたはグローバル文化学環に所属しつつ、さらに学びの可能性を広げることが可能です。各学科とグローバル文化学環のカリキュラムは学年進行にあわせて系統的に組まれており、文教育学部での学修は、人間や社会や文化に関する学生のみなさんの興味をきっと満たすものと思います。

2011年度から、大学全体で「複数プログラム選択制度」をスタートさせました。専門教育のカリキュラムを主プログラム(44単位から48単位)と第2のプログラム(20単位)の2つのパッケージにして、自分の関心や将来の進路にしたがって選択して履修できる制度です。2年次から13のコース・環のいずれかに属して主プログラムの専門科目を学びますが、自分のニーズや個性にあわせて、ひとつの専門を深める(主プログラム+所属コースの強化プログラム)ことも、複数の専門分野を組み合わせて学ぶ(主プログラム+他コースの副プログラムまたは学際プログラム)こともできるという制度です。各プログラムの中身の科目も幅広く選択できるようになっていますので、自分らしい学びの道筋を作っていくことができます。

また2013年度には、お茶の水女子大学は文部科学省と日本学術振興会によるグローバル人材育成推進事業に採択されました。大学としても学部としても、外国語教育をさらに充実させてこの事業を推進していきます。21世紀に入ってグローバル化が一段と進み、世界中の人々の間の絆が深まったとともに、地球規模での様々な解決すべき課題も明らかになってきました。経済的格差に起因する問題だけでなく、宗教や言語などの文化の摩擦や対立も目立ってきています。人間や社会や文化についての知見が今後ますます重要になってくるでしょう。グローバルな視野を持ち、課題解決をめざして国内外で活躍する女性人材としてみなさんに巣立っていただけるよう、文教育学部の教員の私たちも研究を深めつつバージョンアップを続けていきたいと考えています。さらに2018年度から新しく「子ども学」プログラムが文教育学部に加わりました。人と社会と文化を深く見つめる文系学問の面白さは無尽蔵です。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的流行によって、大学での学びの形も大きく変わりました。オンライン・オンデマンド授業の経験は、遠隔地からの授業実施や授業参加の可能性を広げましたが、同時に対面授業の重要性も明らかにしました。これらの経験を踏まえた新しい大学教育のあり方が問われています。それと同時に、コロナ後の世界において、今後の社会や経済を再構成していくことに資する大学教育も求められています。不確実性を増している世界に適切に対応するために、文教育学部で学ぶ人文学的な思考、社会研究の実習、芸術表現の実践が役立つでしょう。

一緒に、楽しく学び、よりよい人間世界のあり方について考えましょう。

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