政策や社会についての意識

 このページでは,政策や社会についての意識についての結果を紹介します。

社会保障支出(q0900),機会平等と貧富の差(q1601)

  「社会保障や年金に対する政府の支出について」の質問と,「チャンスが平等に与えられるなら,競争で貧富の差がついても仕方がない」の質問への回答を紹介します。前者の問いについては,性別・学歴で大きくは変わらず,「多すぎる」という人が15〜27%,「少なすぎる」という人が1/3〜半数でした。女性の方が「少なすぎる」の答えが多く見えますが,実際の差はわずかです。
 後者の問いについては,平等な競争による格差を許容する「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の回答が50〜70%でしたが,「そう思う」の比率が高校までの女性で低い点が目を引きます。

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性別役割分業意識(q19)

  「性別役割分業意識」は,内閣府の調査や学術調査など多くの調査で頻繁に尋ねられている質問の一つです。質問文は大きく分けて「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」と「男性は外で働き,女性は家庭を守るべきである」の二種類があります。回答選択肢にも,「どちらともいえない」を入れない四択と入れる五択の二通りがあります。
 今回の調査では,コンピュータ支援型調査の利点を生かして,「夫/妻」の四択と,「男性/女性」の四択および五択の3種類をランダムに質問しました。その結果を並べて示しています。まず左と中央を比較すると,「夫/妻」質問文と「男性/女性」質問文では,「そう思わない」と「どちらかといえばそう思わない」が逆転しています。「夫/妻」の方がわずかに否定的態度が弱くなるのかもしれません。次に中央と右を比較すると,「どちらともいえない」を選択肢に含めると,「どちらかといえばそう思わない」の減少が特に著しいと言えます。

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調査結果の公表では「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた割合を賛成比率として示すこともよくありますが,「どちらとも言えない」を選択肢に入れる場合と入れない場合では言うまでもなく賛成比率(または反対比率)が大きく変化します。

難解な政治,国民の意見,権威への敬意(q16)

  「政治のことは難しすぎて自分にはとても理解できない」という質問について,3つのモードに分けた上で,男女の比較をしてみます(下左)。よく見てみると,男性ではどのモードでも「そう思う」「どちらかといえばそう思う」よりも「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」が多いですが,女性では一貫してその逆になっています。
政治は難しい 国民の意見
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 「国民の意見や希望は,国の政治にほとんど反映されていない」という質問への回答を,学歴に分けた上で,男女比較をしました(上右)。全体的にカテゴリ間であまり違いはありませんが,男性・女性それぞれで高学歴になるほど「そう思う」の割合がやや下がるように見えます。
 このページ最後は,「権威主義尺度」に含まれることで有名な「権威のある人々にはつねに敬意をはらわなければならない」への回答です。単純に学歴別の分布を比較します。学歴によってはほぼ違いはありません。強いて言えば,そもそも最も少ない「そう思う」回答が学歴が上がるとともにさらに少なくなることですが,指摘するほどの差とは言えません。多くの人が中立的な意見で,「そう思う」よりは「そう思わない」人がやや多いことがわかります。

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