“御協力いただき,誠にありがとうございました”

 2014年10月から2015年1月半ばまで,東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県で,30歳から59歳の男性と女性の有権者の方を対象に,「IT時代におけるくらしと社会に関する調査」を実施させていただきました。御協力いただきました皆様には心より感謝申し上げます。残念ながら御協力いただけなかった皆様にも,度々御連絡・御訪問をさせていただきお騒がせいたしましたことをこの場を借りてお詫び申し上げます。
 学術的な調査データというのは意外に処理に時間のかかるもので,現在はまだ種々のデータの整理と基礎集計の最中でございます。3月にはここで結果速報をさせていただくとのお約束でしたので,現時点での基本的な概要を掲載させていただきます。今後は更に,社会調査に関する国際学会での報告や,学術専門誌への論文の掲載の形で順次成果発表をさせていただく予定です。

調査実施についての基本情報

標本抽出 選挙人名簿からの層化二段無作為抽出.20地点×18人×3期=1080名の方が対象
  第1期 コンピュータを用いた個別聴取面接法(CAPI
    2014年10月18日(土)〜11月3日(月)予定⇒最終終了11月24日(月)
  第2期 紙調査票を用いた個別聴取面接法(PAPI
    2014年11月8日(土)〜11月24日(月)予定⇒最終終了12月23日(火)
  第3期 コンピュータを用いた自記式調査法(CASI
    2014年11月29日(土)〜12月14日(月)予定⇒最終終了2015年1月12日(月)
調査実施委託 株式会社 日本リサーチセンター
使用システム エムエスハッカーズ合同会社(MS Hackers, LLC)のCCASTシステム
  このページ上部にタブレットが2台写っている写真を圧縮表示していますが,そこに見える調査票画面がCCASTシステムのごく一部です。第1期のCAPIと第3期のCASIの調査票システムと訪問管理システムではMS Hackers, LLCに大変な御尽力をいただきました。
研究協力 SSPプロジェクト 総格差社会日本を読み解く調査科学
  大阪大学の吉川徹教授を代表とするSSPプロジェクトからも,多大なる便宜を図っていただきました。この「IT時代におけるくらしと社会に関する調査」はSSPプロジェクトによるCAPI調査のフィールドテスト的役割も担っていました。

回答していただいた方々

 まずは,回答していただいた方々はどのような層の方々であったかの結果をグラフで御紹介します。
上で述べたように,対象者として選ばれたのは合計1,080名の方々ですが,最終的に協力していただけたのはそのうち384名の皆様でした。割合にすると約35.6%で,これを調査方法論の用語では「回収率」または"response rate"(回答率)と呼んでいます。近年はこうした社会調査に御協力いただける割合がかなり低下しておりますが(「社会調査の困難」),残念ながら目標の45%よりも更にかなり低い結果となりました。一般的に,都市部や若年層では協力が得られにくいと言われています。
 協力依頼の結果をグラフで示します。
依頼結果
(グラフをクリックすると拡大表示します。)
 以下のグラフは,男女・年齢別に,回答していただいた方と御協力いただけなかった方を示しています。棒グラフの高さは人数を表示し,それぞれの実数を各棒の中に表示しています。また,それぞれの層の中での回答率を色の境目上側に%で記入しました。
回答者
(グラフをクリックすると拡大表示します。)

社会調査は有効か?(q1605)

 今回の調査では,人々がいわゆる「アンケート」(社会調査)にどのような印象をもっているかを尋ねました。「社会について正確な情報を得るために,アンケート調査は有効な手段である」という質問です。結果は以下の通りで,幸いにも予想以上に多くの方が社会調査には一定の有効性があると思っていただいているようですが,40代後半の男性と40代女性ではややその割合が低くなっています。そう思わない人は多い層でも2割に満たず,少ない層ではほんの数%です。社会調査に肯定的だからこそこの調査に協力してくれたのだとも考えられます。やはり,社会調査に対する信頼をどのように高めてゆくかが,回答率を高めるためにも重要だと言えるでしょう。
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(グラフをクリックすると拡大表示します。)

 この他の質問項目についてのいろいろな集計結果は,ページ上部の茶色のメニューバーの「メディア」,「政策や社会」,「満足度や幸福感」をクリックしていただくとご覧いただけます(現在のページは「実施基本情報」です)。「調査 Home」で杉野研究室サイトメニュー中の調査紹介に戻ります。