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小風 秀雅(こかぜ ひでまさ:日本近代史)

2016年4月8日更新

小風先生の講義の様子

研究テーマ

近代日本史が専門です。といっても日本だけを見るのではなく、とくに19世紀の近世から近代にかけて、日本が世界史の中でどのように近代化していったのか、という問題を、海外からの視点で考えることをテーマにしています。海外といっても、「外圧」つまり欧米世界から見た日本の姿が中心なのですが、そのためにはどうしても中国や朝鮮などの東アジア地域との関係のなかで日本を理解する必要があり、とくに中国と日本との比較をしなければいけない、と考えています。その点、このコースには西洋史の先生も東洋史の先生も身近にいるので、大変便利です。もちろんヨーロッパや中国などの海外の資料調査や研究交流も進めています。
でも、このテーマは、よく考えると、大学時代に歴史学を志した時日本史にいこうか、東洋史を専攻しようか迷っていた頃からのものなので、研究生活40年にして学生時代の興味が呼び覚まされているところです。
そういう視点で研究しているうちに、テーマも最近では、外交史や政治史はもちろん社会史や文化史にも広がってきました。これも比較歴史学コースにいて様々なテーマについて日常的に話が聞けるおかげでもあります。歴史を通じた日本研究ですね。
また最近では、文化財保護の仕事にも関係し、世界遺産をはじめとする日本の産業遺産の保護と活用について研究したり会議で議論したりしています。この分野は歴史学だけでなく、建築学や土木学、考古学、技術史、文化財保護などの多様な分野の専門家が協力しながら進めていくので、必然的に研究分野の枠を超えた学際的な取組みという新しい仕事に対応しなければなりません。世界遺産は、まさに上に述べた私の研究姿勢に重なる視点が不可欠なので、思いがけないところで接点がありました。自分の研究を現在の政策課題に活かせるのは、とても楽しいことです。

学生への一言

僕は左利きなので、よく右と左を間違えて、ドライブのナビゲーターとしては失格だと言われます.僕にとっては左が右になってしまうのです。でも物事も右利きからばかりでなく、左利きの視点から見ることも大事なのではないでしょうか。歴史を勉強することで、物事を右からも左からも見ることのできる視野と発想を持つこと、物事を多面的に理解すること、を可能にしてくれます。
世の中のことに疑問を持っている人、歴史が好きでたまらない人、どうしても知りたいことがある人、自分のやりたいことが自分でわからない人、いろんな学生がいます。一緒に勉強しましょう。

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