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地理情報システム・GIS学術士資格

 
GISによる地理情報処理

 どのような学問でも情報処理は重要です。特に、地理学では空間的データを扱うため、他の学問にはない情報処理の困難さと面白さがあります。空間的データの地図化、統計分析、モデルを用いた地域シミュレーションなどで、パソコンによる情報処理は重要な役割を果たしています。
 現在、これらの情報処理はGIS(地理情報システム)により行われています。GISとは、地理情報(=デジタル化された地図)を扱うシステムのことで、データの操作から表示、分析、入出力、データベース構築まで、さまざまな機能が統合されたシステムです。GISは、一般社会でもさまざまな分野で実用化が進んでいます。身近な例では、気象予報、都市施設(インフラ)管理、自治体行政、統計調査、防災計画、交通予測、マーケティングなどがあります。


GIS教育と充実の設備

 GISはコンピュータのソフトウェアとハードウェアから構成されますが、それらを扱う「人材」も大切な要素です。また、いま社会では、GISの基礎を身につけた人材が広く求められています。本コースではGISに関連する科目を多く提供しており、これらを体系的に履修することで、基礎から応用まで段階的に、GISの専門的技能を習得できるようになっています。

GIS関連の科目
課 程科 目
学部 専門科目
地理環境学プログラム
地理情報システム演習1(主・強化)
地理情報システム演習2(強化)
地図学(主・強化・副)
測量学(主・強化・副)
人文地理学分析基礎演習(主・強化・副)
大学院 専門科目 地理情報論
地理情報論演習
 

 本コースではGIS教育のために独自の計算機室を開設しています。パソコンはデスクトップ型を16台設置し、全てのパソコンにGISがインストールされています。また、データサーバーや大判プリンタ(B0版)、大判スキャナ(A0版)など、周辺機器も充実しています。本コースに所属する学生は、授業や研究のためにGISがインストールされたパソコンと周辺機器を自由に利用できます(写真:授業風景)。


GISの資格-「GIS学術士」

 地理学コースでは、「GIS学術士」の資格取得も目指せます。「GIS学術士」は日本地理学会が認定する資格であり、GISの知識と技術の向上をはかり、適正なGIS学術を普及し、地理学および地理情報科学の進歩と社会の発展に貢献することを目指して確立されました。
 お茶の水女子大学では、次の条件を満たした上で、卒業時に日本地理学会に申請することにより「GIS学術士」資格の取得が可能です。

  1. 下表の科目を履修し、いずれも70点以上の成績で単位を取得

  2. 卒業論文の作成においてGISを利用

 詳しいことは、本学地理学コースの教員にたずねて下さい。また、日本地理学会資格専門委員会ホームページに詳しい説明や関連情報が掲載されています。

 
「GIS学術士」認定科目
種別科目名
A GISに関連する情報処理を中心とする科目 情報処理演習(1)(2)
B GISの基本的機能と空間データの講義を中心とする科目 地図学
C GISによる地図作成・空間分析の実習を中心とする科目 地理情報システム演習1
地理情報システム演習2
D GISを利用した卒業論文を執筆する科目 卒業論文
 
 
GISの研究成果

 本コース所属教員による研究成果を紹介します。GISによる情報処理は、身近な現象から、社会的な課題まで、さまざまな問題の理解と解決を可能にします。
(下の画像をクリックすると、別のウィンドウに拡大版の画像やミニポスターが表示されます)

都市の建造環境と
インアクセシビリティ
GISで描き出す保育所
サービスの問題点

(ミニポスター PDF: 2.2MB)

(ミニポスター PDF: 1.3MB)
健常者と車いす使用者のあいだにみられるアクセスの格差を分析し、「まち」のバリアフリー度を評価した研究です。高齢社会を迎え、バリアフリー整備が社会的課題となる中、その促進に貢献できます。 少子化対策として、育児と就業の両立支援が保育所に期待されています。この研究では、保育所のサービス水準と、保育所に子どもを預け、東京都心で働くという生活の実現可能性との関係を、シミュレーション手法を用いて分析しました。
縮小する東京大都市圏? 人工衛星がとらえた
中央アジア・アラル海

(拡大画像 jpeg: 250KB)

(拡大画像 jpeg: 120KB)
東京圏の人口増加率(国勢調査)を市区町村別に地図化したものです。1990年代前半までの郊外化から、1990年代後半以降の都心回帰への変化を読み取ることができます。 アラル海は、旧ソ連時代に灌漑用水の取水が進み、河川流入量が減少したため、湖面域が1/3まで縮小しました。いまでは塩砂漠がひろがり、塩害や住民の健康被害が発生しています。