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何を学ぶ?(哲学・倫理学・美術史コース)

2016年3月28日更新

何を学ぶ?

本コースでは、所属すると同時に次の3つから研究分野を選択して学んでいくことになっています。そこで、各分野毎に目的と研究方法を紹介します。

哲学

物理学、経済学、建築学といった学問は、何を対象としてどのような方法で問題を解く(目的を達成する)かが明確であり、外部の人にも解りやすいと思われます。しかし、ある種の疑問、例えば「すべての人が納得する真理があるか」といった根本的な疑問、「身体を対象とする医学と心の研究は矛盾しないのか」といった個々の学問領域を越える疑問、「既存の学問の成果が本当に信頼できるのか」といった学問自体への疑問は、それぞれの学問の枠に収まらないところがあります。こうした疑問を取り上げる場が哲学であり、本当の問題点は何か、どのような方法で論じればよいかを考えます。

実際の研究は、本や論文を読むことが中心となり、自分たちの考え方はなぜ正しいと言えるのか、他の文化や時代の人はどのような解答を出しているのかを検討します。しかし、重要なのは、どのような事が問題となり得るのか、議論や解答にどのような多様性があるのかを体得する事です。学生は、知識の多さ(も大事ですが)より考え方の柔軟性・自律性を伸ばす事が望まれ、そのために授業や演習も自由な雰囲気を尊重しています。

倫理学

倫理学の根本問題は「よく生きる」とはどのようなことなのかという問題、人間のあり方の問題です。人間はかけがえのない個性を持つ個人であると同時に、社会の中で他者とともに生き、社会の中でなんらかの役割を果たす社会人でもあります。倫理学では、そのような人間のありようを踏まえて、「よく生きる」とはどのようなことなのかを考察し、人間のあり方を探ります。「倫理学概論/通論」をはじめ、倫理学の知識や倫理学的な考え方を身につけるための授業が用意されています。

倫理に関する思考の積み重ねが倫理思想史ですので、倫理思想史を通観することも必須です。専任教員と多彩な専門分野の非常勤講師によって、西洋と日本の古今の倫理思想をカバーします。西洋・日本を通じて重視されるのは、テクストと誠実に向き合う姿勢、テクストを正確に読み解く力です。

美術史

美術史学では主に、過去や現在の人間が生み出した多様なイメージ(視覚表象)を分析し、理解し、考察する力を学びます。絵画、彫刻、写真、装飾から広告やポスター等々、私たちの身の回りにはたくさんのイメージがあふれていますが、私たちはそれを本当に見ているのでしょうか?過去や現在のさまざまなイメージからメッセージや意味を的確に引き出すためには、イメージのいわば文法を学び、イメージが生み出された時代や社会を知り、そこで生きる人間の考え方を学ぶ必要があります。イメージ同士の比較や同時代の文献などの資料を使い、実証的な検証と理論的な分析を加えながら、具体的な作品と向かい合い、対話を重ねることによって、私たちはイメージの声を聞き取り、それについて考えることができるようになります。


ほぼすべての講義が画像資料を用いながら進められますが、それに加えて美術館見学や見学旅行などを通して、作品を実際に見て、研究する姿勢を重視しています。さらに過去や現在の、日本語や外国語の文献を購読する授業を通じて、必要な資料を読解する力や研究方法を学びます。また研究発表の機会を通じて、自分の研究を明確に人に伝え、あるいは仲間の研究を的確に理解する力を養い、自由で真摯な議論を交わしながら無理なく卒論に至る研究を深めてゆくことができます。専任教員と、多彩な分野の非常勤の教員が東西の多様な時代や地域の専門をカヴァーしながら、学生の皆さんとともに研究に取り組みます。

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