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06. The Penny Magazine(19世紀)

2016年4月8日更新

19世紀前半のロンドンの雑誌

06. The Penny Magazine(19世紀)

 1836年9月10日号。8ページ。労働者を中心とする民衆のための成人教育を目的として1827年に設立された「有用知識普及協会(Society for Diffusion of Useful Knowledge)」が毎週土曜日に発行。ロンドン。
 

 毎号8ページしかなく、パンフレットのように薄いが、1ペニーから数ペンスの値段であるため、本と違って安価で購入しやすかった。ホガースの版画の模写、マダガスカルの動物、ヨークシャのバイランド・アベイの廃墟、ロードス騎士団の歴史、カナダ植民の歴史の抜粋、中国の風俗と慣習、ノルウェーの農民、英国の犯罪統計抄録など、話題は多岐にわたっている。連続ものの記事も多い。現代の我々の目から見ると、19世紀前半のイギリスの様子が手に取るようにわかって面白い。ちょうどイギリスが大英帝国として繁栄を極めた時代のものであり、1836年は、ヴィクトリア女王が即位する前年、上下カナダの反乱の前年、アヘン戦争の4年前にあたる。

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