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博士後期課程 はじめに


 地理学が得意領域とみなしてきた環境論、地図作成、建造環境、フィールドワークなどが、女性の視点からあらためて問い直される必要がでてきています。また逆に、既存の人文・社会科学を問い直してきたジェンダー研究の中に、空間的・場所的視点の重要性を導入する必要があります。博士後期課程では、地理学と女性、ジェンダー研究の関係に関心をもつ研究者を期待します。

 法学、経済学、社会学、政治学、文化人類学、開発学、女性学と共に地理学は、本専攻の学際的なグラデーションの中で独特な位置を占めています。そこでは、二つの分類軸が考えられます。ひとつは、体系的・本質的な学問vs具体的・文脈的な学問、もうひとつは、生活社会科学研究vsグローバリゼーション研究、です。第1の分類軸において地理学は、個別的・文脈的な学問を代表します。しかし、第2の分類軸において地理学は、生活社会科学研究にもグローバリゼーション研究にも関わる、分野横断的な性格を見せます。

 地理学の中のさまざまな分野、たとえば社会地理学、経済地理学、気候学などは、それぞれ社会学、経済学、気象学との競争=対話の中で発展するでしょう。したがって、そうした体系的な隣接分野との知的な練磨を避けることなく、地理学とその関連学問の学界に新風を吹き込む研究者の育成を目指します。


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