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水野 勲 Mizuno Isao

担 当

文教育学部人文科学科地理学コース
博士前期課程ジェンダー社会科学専攻地理環境学コース
博士後期課程ジェンダー学際研究専攻


専 門

数理地理学、経済地理学


主な担当科目

<学部>
地図を読む(文理融合リベラルアーツ科目)、都市と自然、経済地理学、地誌学、人文地理学分析基礎演習[分担]、地域分析学演習Ⅰ・Ⅱ(以上、地理学専門科目)
<大学院>
ジェンダー基礎論[分担]、地域経済論、地域経済論演習(以上、博士前期課程)、地域分析論、地域分析論演習(以上、博士後期課程)


研究内容

地理的不均等発展のモデル研究
地図と匿名性の関係に関する研究
大規模パネルデータ(韓国ソウル)による都市空間の仕事-居住関係の研究


教育内容、受験生・コース進学希望者へのメッセージ

 経済学と経済地理学の違いに焦点をあてることで、「経済」がさまざまなスケール、空間、場所で繰り広げられる現象であること(逆に、「経済」が空間、場所を新たに作り変えることも)、そして自然、歴史、社会、文化とも深く結びついていることを示したいと思っています。他方、「地理」がさまざまな現地での経験に基づいたユニークな現象の記述だけでなく、社会科学の理論と結びつけて説明されるべきであることも、強調したいと思っています。たとえば、地理的不均等発展を社会科学の一般理論によって説明することは難しいでしょう。また逆に、さまざまなスケールでの周辺地域の現実を知ることは、それ自体が重要な経験ですが、どの現象に注目するかという判断は、理論なしですますことが難しいでしょう。
 これまで経済地理学の中では、産業集積や地域政策など従来の「経済」の理解に基づいた研究、教育が中心となってきました。しかし、資源、環境、労働、居住、福祉などと結びつけた「経済」の概念をもつことで、女性にとって関心の深い多くのテーマが経済地理学の中に手付かずのまま残されていることがわかります。私が担当する「経済地理学」や「地誌学」の講義、「地域分析学」の演習では、こうした経済地理学の考え方を、具体的な事例を通して検討しています。
 私自身は数学が好きで、同時に地理学が好きで今日までの研究を行ってきました。数学は単なる「数量」ではなく物事の「関係」(規則)を扱うもので、特に「同一性」(等式)を強調するために、一般には、地域的差異に強い関心を寄せる地理学と結びつくことが難しいです。しかし、数学と地理学の間を往復しつつ、しかも複雑な現実の中に身を置いて考えることが重要であると、私は考えています。理系と文系の間で関心が揺れ動いている人がいたら、きっと地理学は興味深い学問に見えてくるはずです。